応援に感謝!野球部、中国大会に出場する。

2023年11月4日

10月28日、倉敷マスカットスタジアムで山口県1位の髙川学園と中国大会初出場となる本校野球部が対戦した。前日の試合が雨で流れて15時とナイターも予想される遅い時間の開始となった。チームは十分に落ち着いていたと思う。準備はいつも通り行い、相変わらず何かやってくれそうな雰囲気を出していた。だが、やはり高いレベルでの戦いが要求された。石垣、中曽の両エースは、調子が上がらない中でも、中国大会で通用するピッチャーであることを証明した。打線も力を出したが、相手の力がそれを上回り、つながらなかった。ステージが変わったのはベスト8から4になるときだった。それまでは記録に残る失策どころか、細かいミスもほぼ出なかったので、辛抱して守って守備からリズムを作ってきた。残る課題は、打撃の精度と投手の調整と思ってきた。しかし、野球はそれほど単純なものではないと、改めて思い知らされた。簡単な算数のように、足らないところを補えば強くなるというものではない、もっと難度が高く奥の深い、総合的なものである。わかっていたが、わかっていなかった。

選手はベンチ、スタンドも含めて十二分に力を出した。きれいごとではなく、データマイニングなどの当日に見えないところでの活躍があってこそ戦えた。そして、当日の大きな声援があったから戦えた。それを試合に出た選手や周りの大人は忘れてはならない。私はその部分を見えていないと叱られた。吹奏楽部だったその人は、9回の攻撃で延々と繰り返す「サウスポー」に感動して涙が出たという。そのしんどさがわかる分、どれだけの熱量で吹いていたのか想像して感動したという。多くのOBの方の顔も見えたし、当日以外にもいろいろとお気遣いをいただいた。ただただ、感謝に堪えない。野球で一つ勝った負けたはどうでもよいが、野球部員の頑張りが総社南高校を少しだけでも元気にできたかと思うと武者震いが来る。春までは長いが、また、夏に甲子園に向けた戦いができるように春ベスト8以上に向けて頑張りたい。それまでに一年生大会で良い報告ができたらどんなに嬉しいだろうか。しかし、一年生大会は1勝でも厳しい。だが、中学までは決してエリートではなかった雑草の伸びしろと下剋上に期待して欲しい。応援よろしくお願いします。

第3章はこれからです。

表彰式・壮行式

2023年10月21日

10月20日(金)、表彰式と壮行式が行われました。

ソフトテニス部

令和5年度岡山高等学校新人ソフトテニス大会(ダブルス)備北地区予選会

優勝

1年5組 細川 友萌(ほそかわ ゆめ) 2年6組 吉井 美(よしいあきみ)ペア

 

バドミントン部

令和5年度岡山高等学校バドミントン競技秋季大会備中支部西部地区予選会

男子学校対抗 第1位

男子個人戦ダブルス  第1位

2年1組 西原 大智(にしはら だいち) 2年1組 安延 優真(やすのべゆうま)

 

弓道部

第62回岡山県高等学校弓道新人大会 女子団体戦

第7位

2年2組 平井 綾香(ひらいあやか) 2年3組 桑原 花菜子(くわばら かなこ)

2年4組 山崎美緒(やまさき みお) 2年5組 定雪 星乃花(さだゆき ほのか)

これにより、

11月17日〜19日まで吉備路アリーナにて行われる

第31回中国高等学校弓道新人大会に出場

 

野球都

令和5年度秋季岡山県高等学校野球大会

第4位

これにより、

令和5年10月27日(金)〜マスカットスタジアム 他で開催される

第141回秋季中国地区高等学校野球大会に出場 初出場 本校創立以来の快挙

 

 

野球部に関しては、昨日の内に顧問からの熱いブログがあがっております。

是非、ご一読ください。

 

 

選手の皆さん。

おめでとう!!

そして、次の舞台でも、頑張れ!!

硬式野球部1年生大会 試される16名の絆

2023年10月21日

チームとしては1年2年一丸となって挑む中国大会は、相手校が本日決まった。しかし、1年は1年だけの試金石も同時に始まっている。1年次生のみの出場となる1年生大会は11月11日から始まるが、本校は12日が初戦となった。それでなくとも実践練習不足の1年生にとって、既に公式戦を勝って試合慣れした相手との初戦はそれだけで不利となる。増してや、同じやぐらには1年だけで部員数が20名、30名に達するチームも見られるだけに、1年次生16名の絆の強さが試される。1年生大会には、当該学年のチームとしての一体感を醸成して、落伍者を無くし、意識を高める。試合に出ることを目標とせずに、チームのために、勝つために何ができるか、自分事として考えるチャンスだ。2年次生を超えて総社南高校の新たな伝統を築くことを願っている。

話は変わって、中国大会は10月28日(土)の13:30にマスカット球場で山口県の優勝校の高川学園が初戦と決まった。20日の放課後には壮行式を実施してもらい、選手・顧問一同、感謝の気持ちでいっぱいだ。この快進撃の始まりはいつだろうか。地区予選の倉敷工業高校戦の前に「野球ってこんなに楽しかったっけ」と大声で何度も言う生徒に注意したことを覚えている。いつからか、このチームは選手がミスをしようが、成果が出まいが「叱る」ということがなくなった。もちろん公式戦の最中だけだが。むしろ、公式戦で野次ったり、マイナスの発言をすると正される。うちのチームは元気だけが取柄で、声だけは負けないチームだが、口が悪く、思ったことをすぐに口に出す。アドバイスなら良いが指示まで行くとパフォーマンスが下がる。アドバイスも必要なもの以外は試合後に行い、試合中は選手による選手のためのコーチングに期待している。まだまだ、形になっていないが、板谷監督の志す野球の形が見えてきた気がする。

今回の躍進は急に起こったと思えるかもしれないが、変化は3年前から現れている。30期生の三宅コーチが定期的に欠かさず来てくれて、ピッチングと選手育成に目配りをしてくれており、34期生の躍進の陰には彼の力がある。2年前から大住コーチと近藤コーチが参加してくれている。津山工業高校さんとの試合で息ができなくなるような空気を払った坪井の大会1号HRは近藤コーチの指導のたまものである。平日に仕事をほったらかしてグラウンドの整備から細やかに指導する大住コーチのおかげでけがが少なくなった。大住コーチは板谷監督の家庭に次ぐ心の支えでもある。もう一人、ATの井川先生が今年から来てくれてフィジカル面のアドバイスをくれているのも大きい。4人ともOBの方々で母校愛のなせる業に全力で感謝です。野球部や部活動に関わらず、いろいろな形で母校に関わってくださるのは学校として最大の喜びです。
中国大会の入場料は1000円(高校生100円、中学生以下は無料は変わらず)に注意してください。中国大会でまた、新たなステージで新たな景色を見て成長する、野球部と弓道部にご期待ください。

総社南高校野球部 負けて強くなる決意

2023年10月8日

マスカットスタジアムにつくと、雲が出てきたせいなのか肌寒いような気がした。こんな時期まで公式戦ができたのは初めてのことだ。どこにそんな力があったのか、本当に幸せな世代だと思う。今日はテスト前にもかかわらず、吹奏楽部も応援に来てくれる。本当に力になるからありがたい。スタンドを見ると多くの卒業生の顔も見える。心なしか高揚感も感じられ、気が引き締まる。それは選手たちも同じで、いつものように軽口を叩いているが、馬鹿笑いもないし目が笑っていない。学芸館高校さんはエースをぶつけてきてくれた。相手にとって不足はないが、3名の守備の交代と打撃順を変えてきたのにはどんな意味があるのか。素人には推し量れない勝負が始まっているのだ。監督の眉間のしわが深くなる。

整列の時はそれほど感じなかった重圧が、試合が始まるとずっしりとかかる。やはり強い、うちは挑戦者だと感じる。2回の裏のピンチだが動揺はない。どんなピンチでもしのいできた自信がある。ピンチになればなるほど、それを振り払うようにベンチが声をあげる。元気としぶとさが総社南の野球だ。何とかなると思った矢先に1点をこじあけられるように入れられる。その直後の3回の表、得点の匂いのしないままあっさりと2アウトとなるが、ここから点をとった経験がある。2アウトから山田・柳井・柏谷の連打で一挙に2点を奪う。完全に流れはこちらに来た。と、思ったその裏に守備の乱れから4点を失う。3点差は大きいが、返せない点差ではない。「いいか。1点ずつぞ」いつもの声が飛び交う。しかし、・・・

今から思えば、そのときから焦りがあったのだろう。細かいミスは出るし、波に乗れない。5回の裏に4点を入れられたときの記憶は定かではない。後半のためのグラウンド整備中のダッグアウトでは、いつものように声を掛け合っていたがどこか空虚だ。そんなとき、監督の大きな声が響いた。「よう、これはもう開き直ってやるしなねえなー。」一斉に視線が集まる。監督は笑顔だ。「7点差でこれで1点も取れんかったらコールドじゃ。でももう、開き直ってやるしかねえんじゃないの?」一瞬息をのんで、「おう!」と選手たちの声が響く。誰かが、「仕方ねーなー、俺の至高のバッティングを見しちゃるか!」と叫ぶ。「じゃ、おれも至高のランニングやるし」と答える。おれも、おれもってどっかのコントじゃあるまいし、そもそも至高って言葉をよく知っていたなぁ。感心していると、にやにやしている監督と目が合う。思い出す。城東高校さんに負けた後でスタッフだけになった時、監督が何かを思い出したように「そうだ、俺は甲子園のために野球やってんじゃなかったんだ」と言い出した。「行けるのなら、そりゃ行きたいけど、それだけのためにやってきたんじゃなかった」。その時は負けたショックでおかしくなったかと思ったが、今のにやにやしている目は「お前もわかったか?」と言っているようだ。私にはわからない。でも、岸本も三宅もうれしそうだ。廣岡や坪井、鳥岡、長田、古川も前のめりで声を出している。宮本や河野のコーチャーボックスの声も晴れやかだ。再び野球を楽しんでいる姿が見えた。そこからは岡山県代表という気負いは感じられなかった。7回で試合は負けてしまったが、最後の2回は総社南の野球だった。感謝の心を忘れずに、挑戦者として次のステージを目指したい。応援よろしくお願いします。

 

総社南高校野球部 城東高校にリベンジならず

2023年10月3日

中国大会準決勝の相手の城東高校さんは1年前の一年生大会で敗れて雪辱を誓った相手だ。絶対にと思っていたが・・・。まず、朝の時点でエース石垣が山陽高校戦で足の捻挫をしていたことがわかる。「中国大会に間に合うのか?」暗い気持ちになる。中曽は前日の熱中症による腕のしびれは治まったものの違和感が残り、長い回は無理だろう。幸い、秋の大会では登板機会がなく、肩を休めることができた坪井の調子が良い。野手と打者の比重が高く、投手としての評価は高くないが、今日のブルペンでは変化球のキレも良く、直球も来ている。
試合は先攻で始まった。城東さんも前日133球投げたエースはさすがに投げさせられない。初回から満塁と攻め立てるが、得点できない。それでも打球方向は良いし、ボールも見えている、後は粘りと気持ちでこじあけるだけだ。坪井のピッチングは6球を要したが1番打者をピッチャーゴロで打ち取る。130キロ台が出ているしキレがある。何よりマウンドでも安定している。ほっとした矢先に悲劇が起こる。
2番打者のピッチャーライナーが坪井の膝にあたる。よろけるようにマウンドを降り、うずくまる坪井。てんてんとファールエリアを転がるボール。ランナーが2塁に到達し、審判からタイムがかかる。すかさず宮本がコールドスプレーを持って治療にあたる。ベンチは静まり返っていた。まだ、守り始めて5分も経っていない・・・。そのとき、交代という選択肢は頭になかったが、せめて治療に入るべきだったかもしれない。
その後、疲労と動揺からか4失策で1回の裏に3点を取られ、主導権を完全に失った。2回の表には3点を取り戻すものの、3回には2点を入れられ、3対5と負け越した。坪井はアイシングで痛みを抑えてピッチングを続けていたが、体重を掛ける度に痛みがはしり、ぽつりぽつりと不安が漏れる。我慢強い坪井も、攻撃で出塁・盗塁してアイシングできずに守備についた5回に力尽きた。自らのワイルドピッチで作った1アウト2,3塁での降板は断腸の思いだったろう。間が悪いことに、先発でライトに入った鳥岡は2回のヒットと3回の四球で2打席連続出塁と好調だったが、4回裏の守備終わりに足がつって治療をしていた。坪井には悪いが、そのままライトの守備に入ってもらう。すでにチームは満身創痍だ。
このピンチを左のリリーフ廣岡が2人を5球で仕留めて乗り切る。更に6回を3人で乗り切ったが、7回に2つの四球で2アウト満塁のピンチでマウンドを降りた。わざと四球を出す選手はいないが、出たということは何かが足りないのだろう。とはいえ、準決勝の舞台で2回3分の1を無失点で抑えた功績は大きい。残念だったのは、ここを引き継いだ中曽が痛打を浴びて2点を失ったことだ。3対7となるこの2点が決勝点となった。最後の意地を見せた8・9回の攻撃。8回は2アウトからでも点をもぎ取る総社南の野球を見せてくれた。佐野のライト線のあたりも見事に捉えていて、向こうの守備のシフトが無ければここで追いついたかもしれない。この得点が9回の粘りを呼んで、5対7となって試合は終わった。
この敗戦は言葉で表現できないほど悔しい。連戦を戦い抜く経験の差なのか、それとも油断やスキがあったのか。負けたから弱いのは間違いないが、弱いからと首を差し出すようなチームではない。勝つのはあれほど難しく、負けるのはこれほどあっけない。今まで戦ったチームに申し訳ない気持ちはあるが、選手は全力を出した結果である。更なる精進の糧となることを大人全員で祈りたい。応援よろしくお願いします。

総社南野球部 山陽高校破る

2023年10月1日

こんな漫画みたいなことが起こるのか?というのが率直な気持ちである。 まるでスクールウォーズだ。 あの山陽高校さんを3年前の春の大会以来、1対0で勝利したのだ。 初回からピンチの連続の中で、7回の古川の唯一のヒット。ワンヒットワンエラーで長躯、代走の切り札、武田が1点をもぎ取っての勝利だ。初回から何度も点を取られてもおかしくなかった場面が何度もあった。エラー4回の多さはこの世代では見たことがない失態だ。でも1点を守り切った。石垣、中曽の粘り強い投球とそれしかないというリードをした捕手山田、そしてエラーをした選手を責めず、むしろみんなで支えて力を引き出したチームの勝利である。

日曜日の練習試合をキャンセルしたのは2日前だった。それほど、試合が始まる前から戦力差は明らかだった。相手は甲子園ベスト8のおかやま山陽高校さん。地元岡山の選手の強化に実直に取り組む、岡山の公立校ならどこでもリスペクトするチームであり、リスペクトする指導者の堤監督、小泉部長だ。必ず負けるとは思わないまでも、勝てるとは思えない試合になるだろう。写真の三浦選手対策はその戦力差を埋めるべくあがく、頭を絞ったコーチ陣の苦肉の策の一つである。我慢の試合になることはわかっていた。1点勝負に持ち込んだところで、その1点が難しいことはわかっていた。


わかっていたからこそだが、結末を見てきたかのような板谷監督の采配は、将棋や囲碁の神の一手のようだった。野球科学の世界では当日の監督の采配は勝敗に大して影響を与えないことがわかっている。しかし、この試合に関しては絶対に開かない扉をこじあける唯一の道を指し示した采配だった。新聞に書いてあるように、我々が勝った試合ではなく、山陽高校さんが負けた試合だったのかもしれないが、楽観的に考えれば、監督が身を削りながら出した魂を込めた指示が少しは通じたのかもしれない。
昨日の三宅主将のあいさつは「次は昨年の一年生大会で負けた城東です。私たちは城東に勝つためにトレーニングを積んできました。城東高校に必ず勝ちます。しかし我々の目標は中国大会で勝ってで甲子園の土を踏むので応援よろしくお願いします!」って、おいおいって失笑したのは私だけでした。みんなそんなに一生懸命拍手して、もしかして、・・・・、考えるのも恐ろしい。しかし、今日の試合は流石にきつい。昨日の2回の裏に帰ってきた山田が肩で息をしながら「圧が半端ないです」との言葉に、3年前の山陽戦で金安が「いい選手が揃ってますね。投げるところがないです」と言っていたのを思い出した。それくらい相手一人一人の出すオーラが違っていたのだろう。音圧に魅了されたのかぼう然と敵のスタンドを眺める選手も多かった。応援が力になる、応援につぶされるとはこういうことかと分かった気がする。結局、1回は治療の時間をもらったが、他の多くの選手も治療しながらの戦いだった。敵に弱みを見せられないから仕方がないが、誰が欠けてもおかしくない中でポーカーフェイスで戦い続けた。

一夜明けて正気に戻ると、自分たちのチームは昨日の試合前よりむしろ戦力ダウンしている事実に気づかされる。しかし、我々は挑戦者、まだ何も成し遂げてはいないが、だからこそ失うものも何もない。浮かれている暇もない。なんのために頑張っているのか見失う小物であってはならないのだ。ただ、一戦必勝を誓ってチャレンジするだけだ。応援よろしくお願いします。
(写真:山陽新聞ディジタル)

硬式野球部 新しい歴史に

2023年09月26日

9月23日、秋季県大会で記念すべき勝利を収めた。ただし、先輩たちの名誉のためにお詫びと訂正をさせていただきます。創部以来初めてではなく34年ぶりとのこと。今の2年生が37期生なので、開校すぐに成し遂げたことになる。いや、すごい。申し訳ありません訂正させていただきます。そのうえで、9月24日には開校以来初めての2勝目をあげたことを報告する。これで、春季大会のシード校として地区大会免除校となることができた。

 

1回戦の津山工業高校戦には我々は並々ならぬ覚悟で臨んでいたつもりだった。しかし、さすがは県大会、津山工業さんもしっかりと準備をされていた。本校の打線は試合の中で相手投手に合わせ、合うと同時に一気呵成に点をもぎ取るのがスタイルだ。だが、捉えたかと思う瞬間に巧みな継投でかわされて、波に乗れない。そんな我々を尻目に、エース石垣の狙い球に合わせて出塁し、くせを読んで果敢な盗塁を仕掛けてくる。2点リードを保っていたが、徐々に削られていくエースに焦りがあったのは事実だ。感染症で欠いていたのはショートだけではない。予選でリリーフした投手陣もベンチにはいなかった。継投候補の外野手も4回には足の痙攣から治療に入った。「宮本、作れ」、監督の声で虎の子のリリーフが準備を始める。その焦りが生んだのが守備妨害だったのかもしれない。6回の攻撃、2塁への盗塁からショートが後逸。「しめた」と思ったが、ショートがかぶさりランナーは動けない。審判がタイムをとって、協議を始める。「これは抜けてただろう」てっきり、3塁への進塁かと思えば、判定は守備妨害でアウト。監督・部長の日頃の行いが悪かったとしかいいようがない。その後、7回に1点を返され1点差まで詰め寄られ、その裏に1点返したものの、8回に1点を加えられ1点差に詰め寄られた。その勢いはとまらず、満塁まで追いつめられた。大人たちの顔は引きつっていたが、選手たちの元気と集中力は無限大だ。石垣は肉体的にも精神的にも限界は超えていただろう。それでもお互いが支え合ってピンチをしのいだ時には、全員が飛び上がって喜んだ。だが、監督は厳しい。「取られた後だ、必ず取り返せ。笑顔はいらんぞ、気持ちを見せろ」その言葉が4番坪井の大会第1号ホームランを生んだのか、何とか逃げ切ることができた。

 

2回戦の就実高校は近年、力をつけている。今となってはまともに戦って勝てる相手と思えない。かといって、就実高校さんを攻略する方法があるわけでもなし、すべてを出し切るだけとの気持ちで臨んだ。前日登板の石垣の疲労は深かった。1回でも負担を減らしたいとの思いで送り出した1年生が、3安打完投を果たしたのは、チームがなって欲しい理想が形になったようなものだった。オーダーを見て、相手のエースが出る前に1年生ピッチャーのために得点をとってやろうと先輩たちが奮起した。四球に助けられて4点、また4点と得点することができた。その後も失策を出すことなく、丁寧に試合を進めることができたこともあって、コールドで勝つことができた。野球の勢いというのは恐ろしい。選手にこそ誤解して欲しくないので書いておくが、これは実力ではない。しかし、結果として勝った。勝負事は強い方が勝つのではなく、勝った方が強いと言われる。わがチームも勝っていく中で、少しは強くなったのだろう。

 

9月30日はオープンスクールの日だが、ベスト4と中国大会出場をかけた戦いが待っている。相手は驚異のビックネーム、今年の全国区のおかやま山陽高校さんだ。エース三浦の140キロ台の速球、右左に強い打球を打ち分ける打線、練られた走塁、どれをとっても格上だ。だが、過去に勝ってきた相手が格下だと思ったことは一度もない。だが、勝ってきた。野球の恐ろしさは別に本校のためがけにあるわけではない。勝てるとは思っていないが、負けるとも思っていない。常に一戦必勝で全員、全力で取り組むだけだ。今年も、ベンチ、スタンドが一体となって総社南旋風を巻き起こす。応援よろしくお願いします。

 

野球部 地区大会撃破!県大会へ

2023年09月19日

6年ぶりの秋が来た。長く閉ざされていた秋の県大会への道が開かれた。

1位通過の夢は倉工さんに断たれた。9月9日土曜日、7回終わりまで粘りに粘り、6対3で優位に試合を運ぶが、6回裏のノーアウト2塁に加点ができなかった所から流れが変わった。ベンチの反応は薄く、勢いが感じられない。そのころスタンドでは「これは、勝ったぞ」という声が飛び交っていたそうだ。とんでもない。審判のコールが無ければ、100対0でも試合は終わっていないのだ。監督の強く細かな指示も勢いを変えることはできず、8回に2点、9回に2点を入れられる逆転劇となった。伝統校と言われるチームには底力がある。ある県内伝統校ではここ10年の勝った試合の85%が逆転勝利だそうだ。ジャミは伝統校ではない。先手をとって、勢いを逃さず、攻め続けるチャレンジャーでいなければならない。

9月17日の日曜日、夏に苦杯をなめた青陵高校さんが県大会への最後の関門として立ちはだかった。正直に言って、ただ、対戦出来てうれしかった。夏の借りを返せるだけではなく、夏に負けた相手が、ここまで勝ち上がれる力を持ったチームだったことを証明してくれてありがたかった。しかし、連戦の疲れを隠すことはできず、こちらは十分に力を出してコールドで勝つことができた。いくら途中で勝っていても、試合は終わるまでわからない。相手は知らず、自分たちができることは自分たちの野球の完成のみ。ベンチ・スタンドとともにそれを忘れてはなるまい。

ともあれ、県大会出場である。石垣、坪井、廣岡、宮本の2年生先発・リリーフ陣は分厚く、1年の中曽、石井もそれを支える。打撃も山田、柳井、柏谷の先鋒には広角に攻める力がある。ここから先は記録づくしである。勝てば秋の県大会初勝利、次に勝てば春のシード獲得、次に勝てば中国大会出場、そしてどこまで行けるのか。このブログを書くために写真を撮っていた私は、三宅キャプテンのあいさつで、「僕らの目標はあくまで選抜出場」のセリフに思わず吹き出してしまったが、他はだれも笑っていなかった。まさかみんなと思ったが、板谷監督の「この勝利で今の三年生たちの無念に少しでも寄り添えた」との言葉で〆るのが適当だろう。県大会の抽選は20日、大会は23日土曜日から開始です。応援よろしくお願いします。

野球部 秋季大会地区予選決戦

2023年09月3日

苦戦しながらも因縁の相手を倒してきました。

6年前の話になりますが、秋の地区予選でシード校を破ったのに、天城高校に敗れて巴戦になり、巴戦の初戦で再び敗れて地区予選敗退となったあの学年。その後、公式戦でまたしても敗れ、3連敗中だった天城高校さんに公式戦で勝つことができました。それも、しぶとく粘っての苦心の末の逆転劇でした。それが先週です。

今日は、今年の春の地区予選トーナメントの最初の試合であたった古城池高校さんでした。試合はもつれにもつれ、9回裏のファーストゴロがベースにあたってファールグランドを転がる間に1塁ランナーがサヨナラ負けのベースを踏んだあの試合を忘れてはいません。短い春に涙を飲んだ先輩のためにも、どうしても勝たなければならない試合でした。打線がつながったのは偶然かもしれませんが、気持ちは届いたと感じました。中でも、リリーフした左腕広岡くんの気迫と成長は、ずば抜けていました。

そして来週は、3年前、秋季地区予選トーナメントの初戦であたった倉敷工業高校さんです。春にベスト4まで勝ち上がった総社南最強の学年の船出の公式戦で敗れ、女子マネージャーの「もう少し、頑張れると思っていたのに。」ぽつりとこぼした涙。あの長い長い、秋と冬に蓄えた力で選手たちは成長できました。あのときの恩返しをぜひともしたいと思ってきました。あの天下の倉工が今日の試合を偵察に来ていました。敵も本気、相手にとって不足はなし。変わったばかりの新監督さんに成長の機会を、ジャイアントキリングで。我々は挑戦者です。まだまだ未熟ですが、ジャミマジックはここから始まったと言われるようになりたい。試合当日の9月9日(土)は南翔祭の真っ最中ですが、皆様方の応援をよろしくお願いします。

さて、グラウンドは使えないので練習をどうすれば良いのか?

 

決勝進出を逃して

2022年11月20日

決勝進出をかけた城東高校との戦いは3対4の逆転負けとなった。1回の攻防では勢いのあるベンチの中で幸先の良い先制点を奪い、押せ押せムードで4回には相手先発投手を交代させる勢いだった。しかし、・・・

しかし、外部から冷静に見守る三宅コーチの見方は違った。「3点目をとった3回の時点で昨日のバッティングではなくなっていた。」試合中にアドバイスはできない。勘違いで欲しいと願ったそうだ。しかし、その目は確かだった。攻めながらも連打が出ない。決して恐れるような投手ではなかったはずだが、その後は得点をあげることなく逆転を許した。そこでは記録に残らない細かいミスも多く出た。出場全員に心当たりがあるかもしれない。一瞬の躊躇で駆け抜ける足や集中してもなお届かない打球速度を持つ敵だから出たミスかもしれないが、この場に届いて初めて知る己達の未熟さであろう。頑張ったご褒美として己を磨く石として欲しい。

今大会では投手陣に収穫が多かった。ぜひ、今後の自信にして欲しい。けがで出場できなかった廣岡君も含めて、分厚い投手陣が期待できる。課題は守備と打撃の練度である。守備は今までの世代になく誰もがミスをする。打撃も誰もが弱みを持っている。当たり前だが弱みをなくし強みを活かせば強くなる。

「俺も含めて、未熟な総社南には決勝の舞台はまだ早すぎる、と野球が言ってる気がするんだ」板谷監督は続ける。「奥は深い。だが、もう一度ちゃんと挑戦する機会をあげると。今日からがスタートだ」9回ツーアウトでも声をからす河野君や水田君、それに応えて打った岸本君や吉田君、冷静にホーム突入を止めた宮本君、その最後の姿に37期の成長と今後の期待を見た。今後の舞台は2年生も含めた本当の意味での総力戦である。ちょっとやそっとの積み重ねでは効果はない。支えてくれた林君、森野君、田中君、下口君、本多さん、杉田さんのためにも、今はまだ小さい総社南旋風を大きく成長させて、春夏秋の決勝の舞台へと駆け上がれ。

(写真提供は本校保護者の方で本日の試合のものではありません)

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