硬式野球部 新しい歴史に

9月23日、秋季県大会で記念すべき勝利を収めた。ただし、先輩たちの名誉のためにお詫びと訂正をさせていただきます。創部以来初めてではなく34年ぶりとのこと。今の2年生が37期生なので、開校すぐに成し遂げたことになる。いや、すごい。申し訳ありません訂正させていただきます。そのうえで、9月24日には開校以来初めての2勝目をあげたことを報告する。これで、春季大会のシード校として地区大会免除校となることができた。

 

1回戦の津山工業高校戦には我々は並々ならぬ覚悟で臨んでいたつもりだった。しかし、さすがは県大会、津山工業さんもしっかりと準備をされていた。本校の打線は試合の中で相手投手に合わせ、合うと同時に一気呵成に点をもぎ取るのがスタイルだ。だが、捉えたかと思う瞬間に巧みな継投でかわされて、波に乗れない。そんな我々を尻目に、エース石垣の狙い球に合わせて出塁し、くせを読んで果敢な盗塁を仕掛けてくる。2点リードを保っていたが、徐々に削られていくエースに焦りがあったのは事実だ。感染症で欠いていたのはショートだけではない。予選でリリーフした投手陣もベンチにはいなかった。継投候補の外野手も4回には足の痙攣から治療に入った。「宮本、作れ」、監督の声で虎の子のリリーフが準備を始める。その焦りが生んだのが守備妨害だったのかもしれない。6回の攻撃、2塁への盗塁からショートが後逸。「しめた」と思ったが、ショートがかぶさりランナーは動けない。審判がタイムをとって、協議を始める。「これは抜けてただろう」てっきり、3塁への進塁かと思えば、判定は守備妨害でアウト。監督・部長の日頃の行いが悪かったとしかいいようがない。その後、7回に1点を返され1点差まで詰め寄られ、その裏に1点返したものの、8回に1点を加えられ1点差に詰め寄られた。その勢いはとまらず、満塁まで追いつめられた。大人たちの顔は引きつっていたが、選手たちの元気と集中力は無限大だ。石垣は肉体的にも精神的にも限界は超えていただろう。それでもお互いが支え合ってピンチをしのいだ時には、全員が飛び上がって喜んだ。だが、監督は厳しい。「取られた後だ、必ず取り返せ。笑顔はいらんぞ、気持ちを見せろ」その言葉が4番坪井の大会第1号ホームランを生んだのか、何とか逃げ切ることができた。

 

2回戦の就実高校は近年、力をつけている。今となってはまともに戦って勝てる相手と思えない。かといって、就実高校さんを攻略する方法があるわけでもなし、すべてを出し切るだけとの気持ちで臨んだ。前日登板の石垣の疲労は深かった。1回でも負担を減らしたいとの思いで送り出した1年生が、3安打完投を果たしたのは、チームがなって欲しい理想が形になったようなものだった。オーダーを見て、相手のエースが出る前に1年生ピッチャーのために得点をとってやろうと先輩たちが奮起した。四球に助けられて4点、また4点と得点することができた。その後も失策を出すことなく、丁寧に試合を進めることができたこともあって、コールドで勝つことができた。野球の勢いというのは恐ろしい。選手にこそ誤解して欲しくないので書いておくが、これは実力ではない。しかし、結果として勝った。勝負事は強い方が勝つのではなく、勝った方が強いと言われる。わがチームも勝っていく中で、少しは強くなったのだろう。

 

9月30日はオープンスクールの日だが、ベスト4と中国大会出場をかけた戦いが待っている。相手は驚異のビックネーム、今年の全国区のおかやま山陽高校さんだ。エース三浦の140キロ台の速球、右左に強い打球を打ち分ける打線、練られた走塁、どれをとっても格上だ。だが、過去に勝ってきた相手が格下だと思ったことは一度もない。だが、勝ってきた。野球の恐ろしさは別に本校のためがけにあるわけではない。勝てるとは思っていないが、負けるとも思っていない。常に一戦必勝で全員、全力で取り組むだけだ。今年も、ベンチ、スタンドが一体となって総社南旋風を巻き起こす。応援よろしくお願いします。