10月28日、倉敷マスカットスタジアムで山口県1位の髙川学園と中国大会初出場となる本校野球部が対戦した。前日の試合が雨で流れて15時とナイターも予想される遅い時間の開始となった。チームは十分に落ち着いていたと思う。準備はいつも通り行い、相変わらず何かやってくれそうな雰囲気を出していた。だが、やはり高いレベルでの戦いが要求された。石垣、中曽の両エースは、調子が上がらない中でも、中国大会で通用するピッチャーであることを証明した。打線も力を出したが、相手の力がそれを上回り、つながらなかった。ステージが変わったのはベスト8から4になるときだった。それまでは記録に残る失策どころか、細かいミスもほぼ出なかったので、辛抱して守って守備からリズムを作ってきた。残る課題は、打撃の精度と投手の調整と思ってきた。しかし、野球はそれほど単純なものではないと、改めて思い知らされた。簡単な算数のように、足らないところを補えば強くなるというものではない、もっと難度が高く奥の深い、総合的なものである。わかっていたが、わかっていなかった。
選手はベンチ、スタンドも含めて十二分に力を出した。きれいごとではなく、データマイニングなどの当日に見えないところでの活躍があってこそ戦えた。そして、当日の大きな声援があったから戦えた。それを試合に出た選手や周りの大人は忘れてはならない。私はその部分を見えていないと叱られた。吹奏楽部だったその人は、9回の攻撃で延々と繰り返す「サウスポー」に感動して涙が出たという。そのしんどさがわかる分、どれだけの熱量で吹いていたのか想像して感動したという。多くのOBの方の顔も見えたし、当日以外にもいろいろとお気遣いをいただいた。ただただ、感謝に堪えない。野球で一つ勝った負けたはどうでもよいが、野球部員の頑張りが総社南高校を少しだけでも元気にできたかと思うと武者震いが来る。春までは長いが、また、夏に甲子園に向けた戦いができるように春ベスト8以上に向けて頑張りたい。それまでに一年生大会で良い報告ができたらどんなに嬉しいだろうか。しかし、一年生大会は1勝でも厳しい。だが、中学までは決してエリートではなかった雑草の伸びしろと下剋上に期待して欲しい。応援よろしくお願いします。
第3章はこれからです。