【国際系】「やさしい日本語」講演会 岡山大学中東靖恵先生

10月4日(水)、国際系2年次の講演会を実施しました。

今回は、日本に住む外国人とやさしい日本語をテーマに、岡山大学文学部より中東靖恵先生を講師としてお招きしました。

過去30年間で日本に住む「外国人」(この言葉も適切ではないが便宜上使わざるをえないと中東先生が指摘されていました)の数は約3倍に増加しています。

2022年には300万人を超え、全人口の2.46%を占めます(令和4年末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp))。

そうした日本全体の在留外国人に関する状況に加え、岡山県、総社市の状況を教えていただきました。岡山県にも3万人を超える在留外国人が居住し、中でも総社市は岡山市、倉敷市に次いで県内3位の外国人住民を抱えているということに皆驚いていました。

また総社市の日本語教室の歩みについても教えていただきました。中東先生は総社市日本語教育事業のコーディネーターも務められています。総社市の日本語教育事業は先進事例として有名です。

その後は、実際にやさしい日本語を扱うためのワークショップを実施しました。

今後生徒たちは、「国際表現」、「総合的な探究の時間」の一環として総社市の日本語教室に日本語サポーターとして参加する予定です。

<生徒の声>

・こんなにも多くも外国人が総社にいることに驚きました。そして、日本語教室を開いて外国人が住みやすくなるように工夫をしていることも知れてよかったです。 外国人からの視点で日本語を考えるのはとても難しいし、私たちが分かっていて当たり前なことでも、実際外国人にとっては分からないこともあることを改めて分かりました。
・自分だったら、海外に住むのは不安が沢山あるし、周囲の人に優しくしてほしいので、優しくわかりやすく話したり接することが大切なんだなと気づきました。
・ベトナム人の割合が多く、総社市の総人口の2、24%を占めているのだと初めて知った。今まで外国人という括りでしかみれていなかったが、外国人も地域の一員なのだということを改めて考えることができた。
・自分がネイティブの人にはゆっくり発音してもらわないとわからないことのように、日本語もゆっくり言わないと理解ができない。 相手が理解しやすいようにわかりやすい日本語で会話をし、たくさんコミュニケーションがとれるようになりたい。
・初めはスマホ使えば良いやんと思ってたけど、災害時などの通信機器が使えない状態で外国人の方々とコミュニケーションを取ることはとても難しいので、優しい日本語で意思疎通を図る方法を習得しておくべきだと思った。
・英語が喋れれば誰とでも話せると思っていたけれど、やっぱり通じなかったり、発音の違いがあるので、優しい日本語で話すことが一番いいし、外国の方が日本で暮らしていくためにも、日本で会話することが大切だと改めて考えました。
・今まで外国人と話すには英語が必要で、外国人も英語を話すという固定観念を持っていたが、それは間違っていたと気づいた。
・外国人だからと言って英語が話せるとは限らないし日本語が話せないとも限らないというのをしっかり理解していたいと感じた コミュニケーションができない人と意思疎通するの上手くいったらとても楽しいだろうなと思って支援にいきたくなった
・最近外国人と関わる機会が多くなってきているので、日本語で話すときは今日の講演会で聞いたことを思い出して丁寧に話せるように心がけたいと思いました。逆に私達が海外に行った時にはやさしい英語だと助かると思ったので、相手の国を尊重してコミュニケーションを取る事が大切だと思いました。
「国際」という言葉を聞くとすぐに「グローバル」や「海外」という言葉が想起され、外国に留学したり、留学生を受け入れたりということがイメージされます。しかし人口減少が不可逆的に進む中で、外国からの「移民」の方々の人口が増えることは論をまちません。そうした中で、「外向きの国際」だけでなく「内向きの国際」も大切であると考えます。私たちの足元にも「国際」社会は広がっています。中東先生もおっしゃられていましたが、外国出身・外国にルーツを持つ人々を地域住民として受け入れることが今後重要となってきます。総社南高校国際系では、将来外国で活躍する生徒だけでなく、地域で在留外国人の方が困っている時などに真っ先に手を差し伸べられる生徒を育てたいと考えています。
日本語教室でもたくさんのことを学んできてほしいと願っています。
これからも「国際」を軸として内側にも外側にも目が向く教育活動を行っていきたいです。
中東先生、お忙しい中ありがとうございました。