野球部 一年生大会での記録へ

苦戦の中で成長を見せた勝利である。
就実戦の1回の攻撃は吉田君の粘り強い出塁のたまものである。それが厳しい変化球もうまく打ち返した坪井君の2塁打を呼び、山田君、佐野君、石丸君の連打での4点先制とつながった。活躍の吉田君は4回に頭部へのデッドボールで片岡君に交代したが、その片岡君も8回のチャンスでヒットを放つ。その回にピンチヒッターで打席にたった古川君は試合を決定づける6点目となる2塁打をライト線ギリギリに放ち、立役者の一人となった。守っては、ピンチを切り抜ける柳井君・山田君の強肩、自身のエラーも絡んだノーアウト満塁から無失点に抑えた、石丸君のやりきる思いが詰まった守備が印象的であった。

津山工業戦では6回からリリーフの三宅君が、攻撃では役割を果たしたものの集中打を浴びてしまった。7回途中に更にリリーフした石垣君が、制球に苦しみながらも後続を振り切り逃げ切った。柏谷君の思い切りの良い守備もチームに活力を与えた。攻撃では先発の鳥岡君や和泉君もヒットを放ち、加藤君も執念で出塁して役割を果たした。

ケガで出場できない選手、出場機会が無かった選手の懸命のベンチワークも見逃せない勝利ポイントだ。就実戦で瞬発力のあるダブルプレイを決めた岸本君が足を痛めると、すぐに長田君の出場準備を促す声掛けが起こり、何をすべきかが見えてきているのを感じた。総社南のためにサポートを続けてくれる2年生の後ろ姿に学ぶべきものが多いのだろう。ミーティングの後に勝った勝ったと喜ぶ1年生の横で、格好をつけるでもなく黙々と自主練習に取り組む4人の姿は何よりも尊く感じる。
入学後に育つチームの総社南では、1年生大会で3回戦に進むのは7年ぶり。3回戦に勝てば総社南初となる記録である。勝つことが目的ではないが、勝つことで大会に参加することができる。負けることで学ぶことは多いが、勝つことで成長することを再認識した大会となった。更なる成長にワクワクしているのは選手だけではない。

(写真提供は本校保護者の方)