初めての花壇

ちょっと前の話になりますが、新参者がやってきて1か月に満たない頃でした。

新参者の清掃分担は中庭なので、放課後に中庭を如何に清掃すべきか考えていたところ、上司がやってきました。上司は総社南に赴任歴があったので、思い切って目の前のオブジェ的なものについて質問しました。

「先生、これは一体何でしょうか」

「見ればわかるだろ。これは備え付けの花壇だ。昔はいつも花が植えてあったのに・・・」

「え、すいません。誰が植えるんですか」

「誰がって、気づいた者がやれば良いだろう。そういう生徒・そういう教育を君は心がげていないのか。学校に何かをしてもらうことを考える前に、学校に何ができるか考えたまえ!」

 新参者は、指摘で雷に打たれたような衝撃を受けて、ただ涙しました。次の土曜日、早速、土と種を買ってきて花壇に植えました。しかし、芽が出ない。次の週には苗を買ってきて、平行して育てました。次の週も苗を買って、植えられる花壇は埋まりました。肥料も買ってきました。6月、7月は一日も欠かさず水をやりました。8月の合宿で5日空けた時は不安でしたが、頑張ってくれました。名残惜しいが、もう見る盛りを過ぎたので、次の花を考える時期です。

 咲いてくれてありがとう。

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