野球部 新たなページ拓く

2022年11月19日

総社南の野球史に新たな1ページが加わった。創部以来初めて一年生大会で三回戦も突破し、ブロック準決勝まで駒を進めた。これで一回線で昨年夏の4強をかけた試合で涙をのんだ就実高校に、三回戦で今年の夏に唇を噛んだ高梁高校を打ち破り、ステージは違えども借りを返すことができた。

初回はまたも吉田君の出塁から始まった。しぶとい打撃で出塁を続けてこの回に一挙5点を奪うことができた。気が緩むベンチの雰囲気に「5点で試合が決まるか。ここから攻めろ。分かってるんか。」怒気を含んだ監督の声が響く。実際、石垣君・柳井君のバッテリーが力強い敵バッターにも連打を許さなかったが、こちらも追加点がとれない。直球主体に組み立てなおした敵ピッチャーの球威に2回は三者凡退、3回も押し切られた。そんな中、懸命のベンチワークで守備を打撃を支える選手たちがいる。河野君、片岡君、柏谷君、山田君の声が響く。目配りや気配り、発する声援も先週より質が変わったと感じる。(まだまだだけど)

風向きが変わったのは4回、死球とエラーが絡まり得点をとると、敵のエースは降板、次の投手は準備不足か制球に苦しみ四球と連打を浴びせて8点の追加点を奪った。守備固めで入った和泉君、水田君、加藤君、三宅君、武田君もきっちり守り切り、リリーフに入った宮本君も無安打無失点で試合を締めくくった。

明日は昨年の春大会の準決勝で戦った創志を破った城東戦が待っている。ここまで来ると残っているのは格上ばかりで相手にとって不足はない。ふと考えた、相手にとっては総社南がそう見えているのだろうか。普段1年担当として接している私には気づけなかったが、大住コーチの2週間前とは別人のように成長しているとの言葉を思い出す。そうか、成長しているのか。その成長が明日の相手に通用するるかどうかはともかく、確かに成長していることに気づいた。数は力なりとよく言われるが、この1年生にはちっとも当てはまらないと思っていた。22人いても全然勝てない。その理由は皆が自分のことだけ考えて、バラバラに向いていたからだったのだ。公式戦で勝ち上がる中で、チームとして仲間と力を合わせることを覚え、一つの殻を破ったのだ。「勝った時が周囲に感謝を言葉にできる貴重なチャンスだ」板谷監督の言葉を思い出し、1,2年の選手やマネージャー、保護者の方や先生方にあらためて感謝した。願わくば、明日、もう一度、感謝を言葉にできるチャンスを掴みたいと祈った。

(写真提供は本校保護者の方)

野球部ベスト8進出

2021年07月22日

春大会における初のベスト4進出に続き、創部以来2回目の夏のベスト8の結果を納めることができた。成果で言えば本当に立派だが、もう一試合だけでもこのメンバーで試合をさせてやりたかった。切実に思う(実は夏は毎年同じ事を思うのだが)。

試合終了後の挨拶が終わった後、泣き崩れる選手たちに掛ける言葉もなく、てきぱきと気丈に振る舞うマネージャーの小村さんを「立派だなー」と横目で見ながら、「えっと、教員としてここで何をすれば正解なんだ?なんて言葉が正解なんだ?」とただ呆然と立ち尽くすのみでした。それでも2年生は迅速に動き、荷物がなくなる頃には3年生も立ち上がり、さっさと2年生がベンチの掃除を始める。取材のない2年生投手の森君(投手は試合後にドクターによる検診がある)と2人でそれを眺めながら、まだ、「これからどうするんだっけ」と「無力だなー」がぐるぐると回る頭をかろうじて支えて力の入らない足で立っていた。

選手は本当に良く努力した。当たり前だが、侮ることも臆することもなかった。保護者の理解・協力も素晴らしく、保護者会長あいさつの「ありがとう」は自分たちが勝利に関わった証であり、自信をもっていただきたい。だが、相手校の方が準備ができていた。結局、大人の差が出て負けた試合だった。コロナ禍で私立と決定的に違う練習試合の数の差を埋める工夫がもっとなかったか、分析や調整の技術を高める方法はなかったのかと問われると努力はしたとしか言い様がない。開会式の後に模擬試験を受け、試合の後に宿題をやって欠かさず提出する選手たちに言い訳はできない。

最後の試合は総力戦となり、細かい交代も終盤あった。桃太郎リーグで活躍した井元君(朝日新聞7月4日)にも打席が回ってきた。スタンドも含めての総力戦は負けてしまったが、総社南魂を後輩たちに見せることができた。再び、総社南旋風がスタジアムを舞うことになるだろう。

今回の活躍も、板谷監督が掲げる「イノベーション」に呼応して、「先輩を超える」という目標を毎年毎年たて続け、実行してきた成果だと考える。強い先輩、尊敬すべき先輩がいなければそんな目標も立てないし、活躍もなかった。この活躍は歴代OB・OGの成果であり、未来の後輩へのプレゼントでもある。全ての方々に感謝して、忘れることなく、新世代の選手のサポートに尽力したい。

選手の感想や更なる写真は続編でお届けします。

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