理大付属を破る 野球部

県大会第1回戦の相手は岡山理科大学付属高校です。相手にとって不足なし。でもデータもなし。仕方がないので新聞を見たら左右のピッチャーがそろっているとの高い評。(選手はちゃんと調べていると思います)印象的には打撃のチームなので攻守が揃ったチームということか。

初回から相手の打撃が火を噴いて、長打も絡んでの2失点。何とかしのぐ形でこの回を終えたが、クリーンナップに回った3回では1点を追加された苦しい展開。しかし、今日のベンチは一味違った。だまりこんだり、虚勢を張ったりするものもなく、守備のときも攻撃のときもベンチが支えるんだという気迫がみなぎっていた。

4回ランナーをためると押し出しで1点、角木君の2塁打で走者一掃して逆転に成功。その後また追いつかれたところで、今大会は厳しいマークで苦しんでいた細川君だが、変わった右投手から今大会2本目のホームランをたたき出して再びリードを奪う。もう1点を加えたところで、理大付属は左投手にスイッチ。その後は、一体何人出てくるのかと思う代打攻勢で2点を奪われ同点となったが、8回に犠打などで2点をもぎとり、そのまま逃げ切ることができた。

 

ともに2桁を超える安打数の打撃戦となり、多くのヒーローが生まれたが、投手陣も頑張った。6点を取られ、はらはらの連続だったけれど、三宅君の頑張り、金安君の踏ん張りには頭が下がる。もちろん、ベンチもスタンドも力になった。スカウトの津高さんや川原コーチ、三宅コーチの力添えもこの結果を産んだと感謝している。左のノッカーとして最後の仕上げをしてくださった松村先生や今年赴任したばかりの依田先生の顔も見える。うちの選手は幸せ者だと頭が下がります。

しかし今日は選手たちがやけに落ち着いている。山陽新聞のインタビューを横で聞いていて、その理由が少しわかった気がする。「相手は強い。でも、自分たちは自分たちのできることをやるだけ。」「自分たちも努力をしてきた。それを信じて力を出し切ることだけを考えた。」「チャレンジャーですから。」先制されても、追い込まれても地に足の着いた自分たちのプレイをする。かっこいいこと言うなー、と感心した。

唯一心残りは今大会初めてのエラーがついたこと。2点リードの9回2死からの平凡なサードゴロ。サードがしっかり取って、慎重にしているのがわかるほど、ステップをいつもより多めにとってからの悪送球。「エイコンスタジアム+エラーでの出塁」という過去のトラウマが頭をよぎったが、それよりもサード角木君のしびれるような緊張感が伝わってきた。そのとき、今、グラウンド、ベンチ、スタンドで多くの選手がこれと同じ感覚を味わっていることを感じ、この試合が多くの生徒に成長の機会を与えていることに私自身もしびれた。